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1970年代、素材革命が時計を変えた:オメガ、シチズン、ティソが切り開いた“未来の地図”

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現代の高級時計において、904Lステンレス、チタン、カーボン複合材はもはや当たり前だ。
だが、これらの素材が初めて時計のケースに採用されたのは、1970年代初頭——
宇宙開発と深海探査が人類の夢を掲げていた、スーパーコピー 代引きまさに“フロンティア時代”だった。

1. オメガ「シーマスター Ploprof 600m」(1971年)
素材:天王星鋼(Uranus Steel=904Lステンレス)

キーワード:一体成型 × プロフェッショナル・ダイバーのための究極

- 背景:フランス海軍特殊部隊「COMEX」と共同開発
- 構造:一体削り出しケース(底蓋なし)+2時位置の赤いロック解除ボタン
- 防水:600m(当時としては異次元)
- 素材特性:
 - 904L鋼は通常の316Lより耐腐食性が2倍以上
 - 光沢が高く、塩水環境下でも変色しにくい

「ロレックスが904Lを採用したのは1985年だが、
実はオメガこそが、この“ハイグレード鋼”を最初に実用化した先駆者だった」

2. シチズン「X-8 アストロデッキ」(1970年)
素材:純度99.6%のチタン

キーワード:世界初のチタン腕時計 × 電気機械式ムーブメント

- 価格:当時45,000円(約421ドル)——シチズン史上最高価格
- 構造:ベゼル・ケース・リューズすべてチタン製
- ムーブメント:Cal. 0820(電池駆動の機械式=エレクトロニクスと機械の融合)
- 意義:
 - 航空宇宙産業で使われていたチタンを、民生品として初採用
 - 現在の「スーパーチタニウム™」技術の原点

「チタンは軽くて丈夫だが、加工が極めて困難。
シチズンはそれを克服し、“未来の金属”を手首に届けた」

3. ティソ「シデラル S」(1971年)
素材:ガラス繊維強化樹脂(FRP)

キーワード:42mm一体型ケース × カラー対比デザイン

- サイズ:42mm(当時としては巨大)
- 構造:ラグレス一体成型+高コントラスト配色(例:ブラック×イエロー)
- ムーブメント:Cal. 784 自動巻き(動力備蓄40時間)
- 影響:
 - 現代のカーボンファイバー、セラミック複合材の先駆け
 - 2023年には鍛造カーボン製「シデラル」として復活

「プラスチック=安物、という偏見を打ち破った一本。
ティソは、素材の可能性を“見た目”ではなく“性能”で証明した」

💎 編集部コメント:
素材は、単なる“外装”ではない——それは“思想”だ

- オメガは「極限環境下での信頼性」を追求し、
- シチズンは「軽量・低アレルギー性の日常性」を提案し、
- ティソは「コストと性能の最適解」を模索した。

1970年代の素材革命は、
時計を“装飾品”から“道具”へ、そして再び“芸術品”へと昇華させる
大きな転換点となった。
今日、私たちが手にする高級時計の多くは、
この時代の挑戦者の背中に乗っているのだ。

10年で厚さが半分以下に! 世界最薄機械式時計の進化史と、2026年の新記録の可能性

10年で厚さが半分以下に! 世界最薄機械式時計の進化史と、2026年の新記録の可能性

「時計は、薄ければ薄いほど美しい」——そう信じるコレクターが世界中にいます。実際、2015年から2024年の10年間で、世界最薄機械式時計の厚さは3.6mmから1.65mmへと、実に54%も薄くなりました。これは単なる数字の競争ではなく、素材・構造・製造技術の総合的な革新の結晶です。果たしてこの“超薄戦争”はどこまで続くのか?そして、2025年のW&W( Watches & Wonders)?公式情報をもとに、徹底解説します。

Q. 超薄時計の“黄金時代”はいつ始まったのですか?

A. 2015年、積家(Jaeger-LeCoultre)がきっかけとなりました。

スーパーコピー時計モデル:Master Ultra-Thin Squelette(マスター・ウルトラスリム スケルトン)
厚さ:3.6mm
特徴:1950年代のCal.849をベースにした手巻き機芯(厚さ1.85mm)、中央スケルトン+エナメル外周
意義:当時、伯爵Altiplano(3.65mm)を破り、「最薄機械式時計」として話題に

しかし、この記録はわずか3年で塗り替えられることになります。

Q. 2018年、伯爵が何をしたのですか?

A. 「Altiplano Ultimate Concept」(アルティプラノ・アルティメット・コンセプト)で、常識を覆す設計を実現しました。

厚さ:2.0mm
革命的設計:
ケース底板=機芯メインプレート(一体化構造)
コバルト合金ケースに直接部品を組み付け
表冠をケース側面に内蔵(従来のリューズなし)
発売:2018年はコンセプトモデル、2020年4月に量産版として発売

これは、「時計とは何か?」という根本的な問いかけを含んだ、哲学的ともいえる挑戦でした。

Q. 宝格麗とリシャール・ミルは?

A. 2022年、両ブランドが激しい“超薄バトル”を展開しました。

■ 宝格麗 OCTO FINISSIMO ULTRA(2022年)
厚さ:1.8mm
革新点:
時針盤と分針盤を分離配置
表冠を上弦ギア+調時ギアの2つに分割
機芯をケースに直接固定

■ リシャール・ミル RM UP-01(2022年7月)
厚さ:1.75mm
特徴:
フェラーリとの共同開発
5,000Gの衝撃に耐える(F1基準)
上弦・調時は裏蓋の“鍵穴”から専用ツールで操作

この1年間で、0.25mmの微差を巡る攻防が繰り広げられたのです。

Q. 最新記録保持者は誰ですか?

A. 2024年、2つのモデルが記録を更新しました。

宝格麗 OCTO FINISSIMO ULTRA 天文台認定版
 厚さ:1.7mm
 特徴:COSC認定を取得し、“超薄かつ高精度”を実現

コンスタンティン・チャイキン ThinKing プロトタイプ
 厚さ:1.65mm
 注目点:ロシアの独立製表師が開発 — 従来のスイス勢を打ち破る

特にThinKingは、「小丑表(クラウンフェイス)で知られるブランドが、超薄分野でも存在感を示したサプライズでした。

Q. 積家はなぜ超薄戦線から撤退したのですか?

A. 記事によると、「超薄領域の競争が過熱し、実用性や耐久性が犠牲になる傾向にある」ため、積家は自社の哲学である“バランスの取れた高級時計”に戻ったとされています。

現在、積家の焦点はReverso(リヴァーソ)やMaster Control(マスター コントロール)といった、複雑機構と実用性の融合に移っています。

Q. 2025年、新記録はあるのか?

A. W&W(Watches & Wonders Geneva)が最大の注目ポイントです。

伯爵:すでに「Altiplano Ultimate Concept トゥールビヨン」(2.0mm)を発表済み → 次は1.6mm台か?
宝格麗:OCTO FINISSIMO ULTRAの量産安定化に注力中
新参入ブランド:独立製表師や中国ブランドの参入も予想される

ただし、物理的限界(ヒゲゼンマイの振幅確保、潤滑スペースなど)も近づいており、1.5mmを下回るのは極めて困難とされています。

Q. まとめ:超薄時計の本質とは?

A. それは、「技術の粋を一枚の金属板に凝縮する芸術」です。

2015年:3.6mm(積家)→ 2024年:1.65mm(チャイキン)
10年で約2mmの削減——これは、髪の毛10本分にも満たない厚さの中に、数百の部品と人の情熱が詰まっているということです。

2026年、新たな記録が生まれるのか?それとも、“薄さ”から“深さ”への転換期を迎えるのか?時計界の春は、今まさに始まろうとしています。

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